ノルディックスキー・ジャンプの混合団体で高梨沙羅ら女子選手5人をスーツの規定違反で失格にしたポーランド人判定員のアガ・ボンチフスカ氏が判断の正当性を主張している。
7日に行われた混合団体で失格がわかると高梨は号泣し、4位とあと一歩メダルに届かなかった責任を一人で背負い込んだ。同日の失格者は高梨のほかダニエラ・イラシュコシュトルツ(オーストリア)、カタリナ・アルトハウス(ドイツ)、シリエ・オプセト、アンナオディネ・ストロム(ともにノルウェー)の計5人。ドイツのシュテファン・ホルンガッハー監督が同国メディア「ZDF」などに「これはスポーツの精神に反する。完全にクレージーだ」などと怒りをぶちまけるなど波紋が広がった。
国際スキー連盟(FIS)の運営責任を問う声も大きくなっている中、ボンチフスカ氏はポーランドメディア「SPORT・PL」に「選手は守らなければならないルールがあります。私の仕事はルールを守ることです。もしルールが違反があれば、残念なことですが、混合団体のようなことが起きることがあり得るのです」と正しい判断だったと主張した。
さらにこんな事情まで明かした。「個人戦では、すべての選手がチェックされるわけではありません。逃げ切った人もいます」
また高梨の失格についても言及。号泣してチームメートに謝罪した高梨を失格するのは大変だったのではと問われ「彼女たちには申し訳ないという思いもある。しかも五輪という大舞台で失格を伝えなければならないのは、本当に難しいことです。それでも違反があればそういう判断をしなければなりません」。その上で「肉眼で見ても違反は明らかで1センチ、2センチの問題ではありません。それははっきりしています」。これは太もも部分が2センチ大きかったとする日本側の見解と食い違う。
さらに失格となった高梨とイラシュコシュトルツのケースは、チームもスーツが大きすぎることを認識していたとしたが、果たして。
この記事の引用する「肉眼で見ても違反は明らかで1センチ、2センチの問題ではありません。」という関係者の言葉は、証言力、証拠力が、極めて薄いというのが、一般的な欧米法の常識だろう、と考える。ヨーロッパで、1センチ、2センチの問題ではありません、などという数字の使い方をしたら、いっぺんで、証拠力が薄まる。数字は、欧米文化では、絶対だからだ。したがって、この審判の方が、何を言っても、初め薄ければ、終わりまで、薄い、と解釈されよう。それが一般論だが、それこそが欧米文化だ。
審判が正当性を主張するのは当然であって何も驚きはない。もし正当なものではなかった、と告白したなら驚くけど。
肝心なのは事実確認。他国の選手が主張している、「いつもと違う方法で検査された」というのは事実なのか。
もし事実ならそれは事前に通知徹底されていたのか。抜き打ち検査は合計で何名に実施されたのか。検査対象の選定に何らかの恣意性は無かったのか。
検査の正確性に問題はなかったか。検査官の裁量によって結果が左右されるような曖昧な部分は無かったのか、など。
それを徹底的に検証して次回以降の改善につなげることと、明日のラージヒルで小林選手が失格になるなどという最悪の事態を避けるための対策をたてるのが今すべき事だと思います。
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