7月8日、新型コロナ対策の休業要請などに応じない飲食店に「金融機関から働きかけてもらう」考えを西村康稔経済再生相が示した。これに対し、飲食店や金融機関をはじめ、国民の間で困惑や怒りの声が広がった。
西村大臣の発言は、『融資の制限』を金融機関に通達する、ともとられかねない。法的根拠もあいまいですし、発言翌日の7月9日におこなわれた菅首相への取材で、記者団からは『優位的地位の濫用では?』という声もあがっていました。
社会学者の古市憲寿氏(36)もTwitterで、「西村大臣の発言というのは、みんなが馬鹿にしたアベノマスクよりも何十倍もやばいことで、この国の中枢ががったがったになっていることの象徴だと思う」と私見を述べていた。
結局、西村大臣は9日にこの発言を撤回。記者会見では、「金融機関は飲食店など多くの事業者と接点があり、日頃からコミュニケーションを取る一環として、感染防止を働きかけてもらいたいという趣旨だった」と述べ、「融資を制限するということではなく、優越的地位の濫用にはあたらない」と釈明した。
この “苦しすぎる” 釈明に、ネットでは怒りの声が止まらない。
《弁明しても遅い。東京都内のすべての飲食店は一致団結して西村康稔を出禁にすべき》
《ほとんどお店潰れますけど? 一生外食できなくてもいいってことですよね?》
都内で飲食店を営む男性も、こう語る。
「五輪だけは開催しておいて、飲食店はろくに開店もできない。行き当たりばったりのコロナ対策には、もううんざりですよ。撤回したとはいえ、西村大臣のこの発言は、飲食店に関わる人間は一生忘れないでしょうね」
人間にとって欠かせない “食” を支える人たちの恨みは、爆発寸前なのだ。
西村康稔経再相「趣旨を十分に伝えられず」ツイッターで謝罪も…辞任・更迭求める声止まず
圧力発言で非難殺到の西村康稔経済再生担当相が11日、ツイッターを更新。酒類提供停止の要請に応じない飲食店に対し、金融機関に働きかけを求めると発言したことに改めて、撤回・謝罪した。
実業家のホリエモンこと堀江貴文氏がツイッターで「マジでうんこだなこの大臣。早く辞めて欲しい」と投稿すれば、各界から辞任、更迭を求める声はいまだ続いている。
この事態の収束を図りたい西村氏はツイッターで3回にわけての長文を投稿した。
「飲食店の皆様には、新型コロナ対策にご協力頂き感謝申し上げます。この度は、私の発言で、混乱を招き、特に飲食店の皆様に不安を与えることになってしまいました。何とか感染拡大を抑えたい、多くの皆様にご協力頂きたいとの強い思いからではありますが、趣旨を十分に伝えられず反省しております」と切り出した。
「決して融資を制限するといった趣旨ではありませんでしたが、様々なご指摘を重く受け止め、飲食店の皆様のご不安を払拭するため、金融機関への働きかけは行わないこととしました。今後、飲食店の皆様には、時短等の要請にご協力頂けるよう、協力金の先払い制度を導入し迅速な支給を行ってまいります」と続けた。
最後には「また金融機関には、事業者への資金繰りの支援を重ねてお願いしてきており、飲食店の皆様が事業を継続できるよう、支援に万全を期してまいります。他方、不公平感を解消し要請に応じて頂いている飲食店の皆様のご協力に応えていくためにも、ご協力頂けていない飲食店へも粘り強く働きかけてまいります」と結んだ。
西村氏の投稿にフォロワーからは「厳しい状況ですが、頑張ってください」と応援する投稿から「反省しなくていいので、議員辞職してください」と大臣辞任だけでなく、議員辞職まで求める意見もあり、大荒れしている。
撤回自体は良かったと思いますが、一方で反対されれば撤回するということは、やはり効果が低い政策であった、法律的にも問題がある政策であったと認めているように見えます。政府側の飲食店狙いうちはやや理解を超えているところがあります。政府の有識者会議に感染症意外の専門家を増やす、事務方に医系技官以外の官僚を増やすなどしなければ、似たような政策が増えるだけです。コロナは感染症対策の域を超えています。幅広い分野から考えるべき問題です。今回はそうしてこなかったことが明らかになりました。

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