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宮内庁長官「天皇陛下 五輪開催による感染拡大に懸念と拝察」…「陛下」発言に加藤官房長官kato

 宮内庁の西村長官は定例会見で「天皇陛下がオリンピック・パラリンピックの開催が感染拡大に繋がらないかご懸念されている」と述べました。



西村長官はきょう午後の定例会見で、「天皇陛下は現下の新型コロナウイルス感染症の感染状況を大変ご心配されておられます」「国民の間に不安の声がある中で、ご自身が名誉総裁をお務めになるオリンピック・パラリンピックの開催が感染拡大に繋がらないか、ご懸念されている、心配であると拝察いたします」と述べました。

 

その上で、「私としましては、陛下が名誉総裁をお務めになるオリンピック・パラリンピックで感染が拡大するような事態にならないように、組織委員会をはじめ、関係機関が連携して、感染防止に万全を期していただきたい」と強い懸念を示しました。



政治家も役人もIOCも「何が何でも五輪開催」との強硬姿勢を崩さない中、陛下の懸念を重く受け止めるべきだろう。大手メディアも「開催ありき」の報道をいつまでも垂れ流していていいのか。インドで最初に確認されたデルタ株が世界各地で猛威を振るう中、国民の安全と健康を何よりも最優先にし、五輪中止というプランBを用意周到に準備すべきだ。福島第一原発事故時のような「想定外」はもう許されない。


天皇自身の言葉ではなく、西村宮内庁長官の発言でありますが、相当に思い切った発言です。


天皇自身が「感染拡大に懸念」と直接的に発言をすることは政治的な問題への関与に繋がる可能性もありできないわけですが、オリンピックによって感染拡大に繋がることを天皇が心配しているように見えると、宮内庁長官自身の思いとして発言することはギリギリのラインで許容されるかと考えられます。



もちろん、こうした発言を宮内庁長官個人だけの意思でできるものでもないかと思います。東京では緊急事態宣言解除後に感染者数がリバウンドしている状況のなかで、天皇自身がそう考え、そうした思いを長官が理解しているからこその発言ではないでしょうか。


異例の、いくつもの意味で異例の発言を、どう受け止めるべきなのでしょうか。


もとより今回の東京オリンピックでは、招致段階から、皇室とのかかわりが議論となっていました。2013年9月のIOC・国際オリンピック委員会の総会で、高円宮(たかまどのみや)紀久子さまがスピーチされましたが、宮内庁は反対したと伝えられています。その5年前、2008年には、石原慎太郎・東京都知事(当時)が、皇太子だった、いまの天皇陛下にたいして招致への協力を求めたものの、宮内庁が「政治的要素が強い」として難色を示し、石原氏が「木っ端役人」と同庁を批判する騒動に発展しています。



ただでさえ、政治とオリンピックの関係はむずかしい。今回は、新型コロナウィルス感染症という要素が入っています。宮内庁長官が、あえて「拝察いたします」「私としては」という個人的な思いを述べる必要があるほど、事態は深刻だととらえられるのでしょう。


加藤官房長官は6月24日午後の会見で、発言は「宮内庁長官自身の考え方だ」との見解を示し、安全安心な大会開催に向けて準備を着実に進める方針を強調した。


加藤官房長官は会見で、西村長官の発言について問われ、「宮内庁長官のご自身の考え方を述べられたと承知をしている。詳細については宮内庁にお聞きいただきたい」と語るにとどめた。西村長官の発言は、必ずしも天皇陛下のお考えを表したものではなく、西村長官個人の考えだとの認識をにじませたものとみられる。



その上で加藤長官は、東京大会について「安全安心の大会を実現していく。国民の皆さんに安全と思っていただけるように取り組んでいくということは申し上げてきた。引き続き、関係者と緊密に連携しつつ、安全安心な環境を確保することを最優先に大会に向けた準備を着実に進めていきたい」と、開催に向けた方針に変わりはないことを強調した。


宮内庁長官が天皇陛下の意向を勝手に忖度して外部に吹聴するはずはない。恐らく陛下の意思を「間接話法」でもって表に出してほしいという意向を受けての長官発言だろう。


その傍証ではないが、一部報道機関の第一報では「天皇陛下が五輪に懸念する発言をした」という趣旨の原稿が、その後、「宮内庁長官が天皇陛下の五輪への懸念を拝察する発言をした」という趣旨の原稿に差し替わった。実質的には前者でも同じことなのだが、後者でなければ宮内庁長官が間接話法をする意味がないということで、何らかのやりとりがあって差し替わったのではないだろうか。



天皇は憲法で「国政に関する権能を有しない」とされているので、間違っても天皇陛下の「政治的発言」をストレートに処理することはできない。その結果がこの「間接話法」だと受け止めるべきだ。「宮内庁長官自身の考え」だと政府が言えるのも、間接話法だからこそだ。


天皇の政治的発言と受け止められないように、政府としては天皇の意向ではなく、宮内庁長官個人の見解であると言わざる得ない、その意味で加藤官房長官の答えは政府の立場からは正答と言えます。


本来ならば、政府・宮内庁内できちんと協議をし、懸念を払拭して象徴である天皇のオリンピック出席を求めるべきはずが、今回のようになってしまったのは、両者の関係性が円滑ではないことを示しているとも言えそうです。また、政府が天皇の立場に対してどれだけ考慮して物事を進めているのか気になります。


今回のような事態は、2016年の退位をにじませた平成の天皇の「おことば」の時と同じ問題を孕んでいます。天皇の意思をそのまま反映させることは憲法上考えられませんが、しかし天皇も意思を持つこと、そしてそれをどう考えるのか。象徴天皇のあり方について、今回の問題からも考えるべきかと思います。


官房長官としては、こう発言するほかありません。宮内庁は政府の一部です。こうしたやりとりが表に出ることは、さまざまな議論を呼びおこす意味ではプラスですが、政府としては頭が痛いでしょう。


ある種のガス抜きとして、あえて出てきたのであれば、政府・宮内庁一体となった世論への向き合いと見られるかもしれません。しかし、そうではないはずです。


2009年12月、民主党政権下で、当時の天皇陛下と、中国の習近平氏の会見をめぐり、政府・与党と、宮内庁側で激しいやりとりがあるなど、内閣による「天皇の政治利用」が問題視されてきました。今回は、そうではありません。そうではないことの意義を、どうとらえるのか。これまで政治の側は、どれだけ議論を重ねてきたのでしょうか。行政府(内閣)だけではなく、立法府(国会)もまた問われています。

宮内庁長官「天皇陛下 五輪開催による感染拡大に懸念と拝察」…「陛下」発言に加藤官房長官kato 宮内庁長官「天皇陛下 五輪開催による感染拡大に懸念と拝察」…「陛下」発言に加藤官房長官kato Reviewed by RichKid on 6月 25, 2021 Rating: 5

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