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「ゴルフ人生変わる」締めの2ホール…渋野日向子はスイング改造以上に「心の闇」

 ホールアウトした渋野日向子の手が、小刻みに震えていた。4オーバー93位から出た2日目に1イーグル2バーディ、2ボギーの「70」で通算2オーバー58位として予選を突破。16番をボギーとしたあと、17番(パー3)でバーディ、18番(パー5)でイーグルを奪い、劇的にカットラインに滑り込んだ。



直近のメジャー2大会はいずれも1打差で予選落ち。「マジで良かったです。泣くかと思った」と3度目の雪辱に成功。この日の18ホールは、3カ月の米ツアー挑戦を象徴するような波乱万丈の展開だった。


ガードバンカーから寄せきれずにボギーとした1番以降、8番までパーが並んだ。迎えた9番、1Wショットを右バンカーに入れると、2打目もグリーン手前のバンカーへ。そこからピン上1.5mにつけてパーセーブ。「9番のパーパットが入ってから、すごくスムーズに打てるようになってきた。1個入ると変わってくる感じがあった」とパッティングに好感触を得て、後半へと折り返した。



1つ目のドラマは12番(パー5)。レイアップ後の3打目はピンまで88yd。つま先下がりのライからダフらせて、手前の池に落としてしまう。だが、「結構悔しかったけど、イライラしている暇もなかった」と、すぐ横のドロップゾーンから同じく88ydを52度のウェッジで打つと、ピン奥の傾斜を伝ってコロコロと戻ってきて、カップにぽとり。このピンチをチップインパーで切り抜けた。


直後の13番でバーディを奪い、スタート時の通算4オーバーにスコアを戻す。その時点でカットラインの想定は3オーバー。だが、16番で「(フェアウェイの)めちゃくちゃ良いライからダフってしまった」と手前のガードバンカーに打ち込んでボギーとし、通算5オーバーへ後退。「シュンとしたけど、まだバーディ、バーディならチャンスはあると思っていた」と、残り2ホールに勝負をかけた。



「嫌いなホールじゃない」という17番(パー3)は実測161yd。6Iでピン右1.5mにつけて、すぐにバウンスバックを決める。続く18番(パー5)は、ティが前に出されて462ydの設定。渋野は1Wを振り抜いて、フェアウェイをキープした。


グリーン手前に池が広がり、エッジまでは206yd。渋野は練習ラウンドのときから、たとえティが前に出されても刻もうと決めていて、一度も2オンを狙ったことはない。だが、「こうなったらもう狙うしかない」と2オン狙いを決断。「緊張したので、深呼吸をしまくった」という第2打は、3Wを“マン振り”すると、フォローの風にも助けられて208yd地点に着弾してピン右8mに2オン成功。「まあまあフックで若干下り、芝目もあった」というイーグルパットも「緊張していたので、距離感どころじゃなかった」と、強めにカップ真ん中からねじ込んで、右手で大きくガッツポーズ。笑顔がはじけた。



「メジャーでは一打の重みを感じることが多過ぎて…。やっぱり最後まで諦めちゃダメだなっていうのは、今日はすごく感じられました。たぶん、これからのゴルフ人生もこの2ホールで変わってくるかなって思います」


3カ月に及んだ米ツアー挑戦の最終戦で「東京五輪」の代表争いも今大会がラストチャンス。渋野が逆転する可能性はまだ消えなかった。「あしたがあるのがすごくうれしい」と、いまにも泣き出しそうな顔で、満面の笑みを作った。




渋野日向子はスイング改造以上に「心の闇」に苛まれている 今季メジャー初決勝Rへ


今回の米ツアーで苦戦の原因は、スイングの問題だけではなさそうだ。


4月1日のANAインスピレーションから始まった長期の米国遠征は、今大会で一区切りとなる。この間、トップの位置を低くしたニュースイングで思うような結果が出せず、笑顔も減った。


改造中のスイングで、すぐに結果が出るとは思っていないだろうが、それにしても、一度も上位争いができなかったことは誤算ではなかったか。


あるツアー関係者がいう。


「コロナ禍で海外遠征には隔離もあるし、短期間で行ったり来たりできない事情はあった。米ツアーのメンバーになる目的に加え、スポンサーも期待していた東京五輪の代表入りもかかっていた。米国で多くの大会に出なければならなかった。100万円の罰金を承知の上で、ディフェンディングチャンピオンのワールドサロンパスカップを欠場し、所属先が主催する大会(宮里藍サントリー女子ゴルフ)も出なかった。迷惑をかけている多くの関係者には結果で納得してもらうしかなかったわけですが」


初日はショットが安定せず、4オーバー93位と大きく出遅れた。ホールアウト後は、ファンのサインに応じてはいたものの、本来の笑顔は見られなかった。


渋野には石川遼や、たまにスイングのアドバイスをもらえるコーチがいるそうだが、メンタルのトレーナーはいない。


「渋野は畑岡(奈紗)や笹生(優花)のように英語は話せないし、慣れない米国の生活は大きなストレスになっていた。メンタルトレーナーでなくても、気兼ねなく、何でも話せる者が帯同していれば、米国遠征はもう少し違った結果になっていたかもしれません。松山(英樹)も今年から目沢(秀憲)コーチをチームに入れて、スイング論などを話すことで、プレー中の気持ちも変わったという。ひとりで抱えずに、思っていることを言葉にするというのはメンタルヘルスに有効だと聞きました」(前出の関係者)


心の問題といえば、思い出すのは2019年の全英女子オープンに勝った2週間後の大会(NEC軽井沢72ゴルフ)だ。渋野は最終日の18番ホールで5メートルのバーディーパットを沈めたら優勝だった。ところが、「緊張で手が動かなかった」(渋野)ことで、バーディーパットは2メートルもオーバー。返しのパットも外した。全英覇者として日本中から注目される中でのプレーがミスにつながった。あのシーンを見て、イップスを心配するツアーコーチもいた。


今回の米ツアーも過度のプレッシャーとストレスが、似たような心理状態を生んだのかもしれない。


国内ツアーに復帰したら、別人のようなゴルフを見せてくれるだろうか。

「ゴルフ人生変わる」締めの2ホール…渋野日向子はスイング改造以上に「心の闇」 「ゴルフ人生変わる」締めの2ホール…渋野日向子はスイング改造以上に「心の闇」 Reviewed by RichKid on 6月 26, 2021 Rating: 5

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