東京・小平署から警察官に連れられ歩くTシャツ姿の男。詐欺容疑で逮捕された契約社員、志田淳容疑者(50才)だ。
志田容疑者が逮捕されるのは今回が3回目。交際してきた約20人の女性をだました手口の一部が明らかになった。
事件は2020年2月、当時47歳の被害者女性に「航空券の代金を肩代わりして欲しい」と送られてきた次のようなメッセージから始まった。
志田淳容疑者のメッセージ:今日中に支払わないといけない。個人のクレジットカードはポイントが付いてしまうので、使用が禁止されている。助けてよ。まとめて返すから…
志田容疑者とマッチングアプリで知り合い交際していた被害者の女性(当時47才)は、その言葉を信じ、合計約54万円の航空券代をコンビニで支払ったという。
しかしその後、志田容疑者が返金に応じなかったため、航空会社に相談し事件が発覚したのだ。
志田容疑者はコールセンターの契約社員で、仕事上、航空券が必要になることはなかった。
女性たちに語った“ウソの経歴”
では、なぜ女性はだまされたのだろうか?実は交際相手の女性に対し、志田容疑者は身分を偽っていたのだ。
東京・世田谷区のこちらのマンションに住んでいた志田容疑者は、交際相手に「大手商社に勤めている」などと話していたということです
交際相手に対し、志田容疑者は「慶応大学を卒業し大手商社の石油開発部長だ」などとウソの経歴を話すだけでなく、「佐藤淳」と偽名も名乗っていた。
志田容疑者はほとんどの女性に結婚をほのめかし、同時に10人と交際していた時期もあったという。
手口は航空券の不正購入…なぜ航空券ばかり?
同じような手口で2018年10月ごろから約20人の女性と交際し、だましてきたと見られる志田容疑者。被害総額は約650万円にのぼり、その多くが女性のカードを使った航空券の不正購入だった。
調べに対し、容疑を認めている志田容疑者。「飛行機が好きで、化粧品会社に勤めていた時のように全国を飛び回りたかった」と話しているといいます。
マッチングアプリを使っての詐欺事件は後を絶ちません。アプリでは、理想の人を求めて何人とにも会えるメリットはありますが、その分、詐欺を行う人物との接点も生まれやすくなります。
今回も一流大学、大手企業、部長という肩書を利用して異性を引き付け、年収も相当高く偽っていたでしょうから、それらを鵜呑みにするのは危険です。
偽名を使っていましたので、結婚の約束をする相手となれば、当人の親族と会う等、早い段階で、相手の身元確認は必須になります。
沢山の人を騙していたので、アプリ側にも通報が寄せられていたはずです。しかし削除しても、名前を変えて同一アプリに登録したり、他のアプリにも登録したと考えられます。本人確認の不徹底さや、アプリ間の横の繋がりのなさにつけこまれ、詐欺が行われたとみて良いでしょう。
騙されないためには、高学歴、高収入を話す人物と出会った時にこそ、早急な身元確認が必要になります。

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