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木下雄介の“残酷で衝撃的な負傷”…「悲劇のエース」yu

 中日の木下雄介投手が、4月9日に大阪市内の病院で大がかりな手術を受けた。右肩前方脱臼修復術と右肘内側側副靱帯の再建術、いわゆるトミー・ジョン手術を同時に受けたのである。



悲劇が起こったのは3月21日の日本ハム戦(バンテリンドーム)だった。


すでに開幕一軍を手中にしていた木下は、最後のオープン戦のマウンドに上がっていた。ところが投球直後に右肩を押さえてうずくまる。観客も少なく、グラウンドには「パチン」という音が聞こえたという。木下の肩関節が外れた音だった。歩くこともままならず、ストレッチャーに座って降板。あまりに残酷で衝撃的なシーンは、動画などで見たファンも多かったことだろう。


リハビリ期間が長くなる「手術」という方法



悪夢から20日後の手術に至る過程には、葛藤があった。格闘技を含むスポーツ、あるいは日常生活の中での事故で、脱臼を経験したことがある方もいるだろう。外れた関節は、国家資格を持った柔道整復師などなら元に戻すことは比較的容易だ。さすがにプロのアスリートがすぐに投げることはできないが、関節周辺の傷ついた筋肉や腱を保存療法で治し、トレーニングで強化して再起を期すという方法はある。


一方、投げるという行為で脱臼した以上、同じ動きをすれば同じことが起こる可能性も否めない。緩んだり、切れたりした腱を修復し、外れにくくする手術は再発の可能性は低くするが、リハビリ期間は長くなる。



例えば昨年限りで現役引退した岩隈久志氏は、秋のシート打撃で右肩を脱臼。39歳という年齢を考慮して、手術したとしてもリハビリに費やす時間はないと判断し、引退を決意した。


「悲劇のエース」中里篤史は保存療法を選び


27歳の木下にとっても、野球人生を懸けた二択。この20日の間に、医師以外のオピニオンを仰いでいる。中日ファンの間では「悲劇のエース」として知られる中里篤史氏だ。



2001年にドラフト1位で入団。直後から類いまれな能力を認められ、1年目には早くも一軍デビューした。しかし、2年目の沖縄キャンプで悲劇が起こる。宿舎でのミーティング後、階段を降りる際に足を滑らせたが、右手は手すりをつかんだままだったのが悪かった。右肩を脱臼し、関節唇も損傷。ただし、当時は前例も少なかった上に「手術するならアメリカで」という時代だった。選択を迫られた中里氏が不安のあまり保存療法を選んだのも無理はない。


しかし、結果的には遠回りだった。翌03年秋にプールでトレーニングしているときに、軽く背泳ぎをしようとした動きで関節が再び外れた。明けた04年1月末に右肩及び肘を手術。長いリハビリに耐え、手術から1年7カ月後の05年8月に、二軍で実戦復帰を果たしている。


「早く手術した方が良かった」


通算34試合(手術後は32試合)に登板し、2勝2敗。球団関係者が「あの事故さえなければ、ドラゴンズの歴史は変わっていた」と、今でも悔しがる才能を思えば、心が痛む成績ではある。



現在は巨人のスコアラーを務める中里氏は、関係者を通じての木下からの頼みを快諾。球団の垣根を越え、経験談を伝えた。それは「当時の自分にアドバイスできるのなら、最初の脱臼で手術する。手術をしたことで、少なくとも不安はなくなった。パフォーマンスが脱臼以前に戻ることはないだろうが、その中でどういうピッチングができるかを考えられた。その前提を踏まえた上でも、早く手術した方が良かった」との内容だったという。


藤川球児からも「応援しています」のエールが


中里氏以外にも、チーム内外に木下を支える動きはある。チームメートの福敬登は本拠地での登板の際の登場曲を、木下が使っていた湘南乃風の『黄金魂』に変更した。


かねてより木下の潜在能力を評価していた藤川球児氏は、手術の球団発表直後に自らのツイッターで『ドラゴンズの木下投手 努力は人生においては必ず報われる ファンの方々と共に応援しています』とエールを送った。


通算37試合登板。1セーブ、1ホールドは記録しているが、勝ち負けはない。そのストレートの威力を木下が世に示すのは、これからなのだ。脱臼時の年齢としては、19歳の中里氏より遅いが、39歳の岩隈氏よりは若い。トミー・ジョンも含めたリハビリは長く、苦しい期間となるだろうが、支え、励ましてくれた人たちのためにも、いつか再び『黄金魂』の調べに送られてマウンドに向かう木下の姿を見たい。

木下雄介の“残酷で衝撃的な負傷”…「悲劇のエース」yu 木下雄介の“残酷で衝撃的な負傷”…「悲劇のエース」yu Reviewed by RichKid on 4月 14, 2021 Rating: 5

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