中国国営の中国中央テレビ(CCTV)は20日、同国の有人深海潜水艇「奮闘者号(Fendouzhe)」が、地球で最も深い海底凹地(くぼち)であるフィリピン東部のマリアナ海溝(Mariana Trench)の海底に到達した様子を撮影した動画を配信した。
CCTVによると、奮闘者号には研究者3人が乗っており、配信された動画には、暗い海水の中を同艇がゆっくりと海底に到達する様子が捉えられている。
奮闘者号は今月10日、人類がこれまでに到達した最深の地点であるマリアナ海溝のチャレンジャー海淵(かいえん、Challenger Deep)まで潜航し、有人深海潜水艇の中国記録を水深1万909メートルまで更新。これは、2019年に米国人探検家が打ち立てた世界記録の1万927メートルまであと一歩の数字だ。
奮闘者号は中国が製造した3隻目の有人深海潜水艇で、研究者はCCTVに「海底にいる多くの種や生物の分布」を観察していると語った。マリアナ海溝の海底にも多くの生命がいることが分かっており、中国人研究者らは研究用に標本を採集する予定だという。
中国は深海掘削を推し進めており、CCTVによると、今回のミッションでは「深海の物質」の調査も実施される。
中国政府は今月、国際海底機構(ISA)と共同で研究訓練センターを設立。同センターでは、深海関連テクノロジーの専門家の研修や、海底資源の採掘に関する調査が行われる。
一方、中国、無人月面探査機打ち上げ成功。
中国は24日、無人の月面探査機の打ち上げに成功したと発表しました。中国として初めて、月の土壌を採取し地球に持ち帰る予定で、アメリカと中国の争いは宇宙開発でも激しくなりそうです。
ロケットに搭載された無人の月面探査機「嫦娥(じょうが)5号」は、日本時間の24日午前5時半すぎ、中国南部・海南島の衛星発射場から打ち上げられました。現場にはJNNやAP通信などの海外メディアも招待され、中国で宇宙開発を担当する国家航天局によりますと、探査機は予定の軌道に投入され、打ち上げは成功したということです。
「嫦娥5号」は来月2日ごろ月面に着陸後、表面や深層の土壌を採取し地球に帰還する見通しで、成功すれば中国で初めてだということです。
「宇宙強国」を掲げる習近平指導部は、2022年ごろ、独自の宇宙ステーションの建設を計画する一方で、アメリカや日本なども2024年の月面への有人着陸を目指していて、アメリカと中国の争いは宇宙開発をめぐっても激しさを増しそうです。
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