バランスが変わる
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、世界全体がこれまで経験したことのない混乱に陥っている。
その混乱によって、わが国や韓国、中国、欧米諸国はどうなっていくのだろうか。
まず頭に浮かぶのは、国際社会の構図が地殻変動を起こしていることだ。
具体的には、現在の主権国である米国の力が明らかに低下していることだろう。
米国がかつてのような圧倒的な発言力はなくなり、それに代わって中国やロシア、欧州諸国の圧力が増している。
トランプ大統領はWHOが中国よりであると批判し、資金拠出停止を表明した。
経済運営だけでなく、感染対策のために国際協調がどう進むかは一段と見通しづらくなっている。
世界の政治・経済の運営は大きな変化の局面を迎えていると考えるべきだ。
一方、隣国の韓国の総選挙では、左派系与党の新型コロナウイルスへの対応などが評価され180議席を確保する見通しだ。
一見すると、安定した政権基盤が形成されることは望ましい。
しかし、総選挙後の16日、韓国ウォンはドルなどに対して売られた。
南北統一、反日を重視する文政権が多極化する世界にどう対応できるか、先行きを懸念する市場参加者は増えつつある。
世界的なディスインフレ圧力の高まり
新型コロナウイルスの拡大により、世界各国は国境や都市を封鎖し、人の移動を強く制限しなければならない。
人の動線が遮断されることによって経済は大きく傷つくが、それ以外に感染を抑える方策が見当たらないのが実情だ。
その結果、世界経済を支えてきた米国の個人消費を中心に需要が急低下し始め、世界全体でディスインフレ懸念が高まっている。
4月15日、米百貨店大手JCペニーが社債の利子支払いを延期したことは事態の厳しさをよく示している。
米国では、2022年まで対人距離の確保(ソーシャル・ディスタンシング)が必要との研究報告が出ている。
自由に人々が移動できない以上、どうしても経済活動の水準は低下せざるを得ないはずだ。
年後半、米国経済がV字回復を遂げるとは考えづらい。
むしろ、動線の遮断が続くことによって経済活動が緩慢な状況が続き、景気はL字、あるいはU字のようなかなり鈍い展開となる可能性が高い。
一方、中国では感染が小康状態となり、過剰生産能力を抱えた企業の操業度が急回復している。
それは世界の需給バランスを一段と悪化させるだろう。
その中アップルは新型iPhone SEの高性能化を実現すると同時に、価格を過去最低に設定した。
同社は中国スマホなどに対抗して需要を集めるために低価格路線を強化している。
需要を生み出せる高付加価値型のヒット商品は見当たらない。
コロナショックは世界的な低金利環境下で債務に依存し需要を維持してきた世界経済の脆弱性を露わにしつつある。
高まる世界経済の縮小均衡懸念
世界各国はアジア通貨危機やリーマンショックといった大規模な経済の混乱に対して、政策協調を行うことで克服してきた。
世界的なパンデミックに対応するためにも、世界各国が感染対策、医療制度の維持・強化、経済対策を協調して進めなければならない。
足許、新興国では財政運営に窮する国も増え始めており、国際協調体制の確立は急務といえる。
しかし、コロナショックによって国際協調よりも多極化が加速化し始めたように見える。
米国はウイルス拡散の責任が中国にあると非難を強めている。
中国はそれを逆手にとり発言力を高めようとするはずだ。
更に、中国は顔認証などを用いて感染を封じ込めた。
鉄鋼などの在来分野とは異なり、IT先端分野における中国の成長力にはすさまじい勢いがある。
欧州では、イタリアやスペインを中心に医療体制が崩壊の危機に陥った。
更に、南アフリカやインドネシアでは感染拡大から失業が増加し、治安が急速に悪化しているようだ。
多くの国で米国を中心とする国際秩序、世界経済の運営への反発が高まっている。
この状況は当面続き、自国の事情を重視する国は増える可能性が高い。
新型コロナウイルスは、世界経済の安定を支えた国際協調を難しくさせている。
それに伴い、各国の経済運営の効率性は低下し、世界経済は縮小均衡に向かうだろう。
今後、世界経済が大恐慌以来の景気後退に陥る展開は否定できない。
グローバル化に深く組み込まれてきた韓国をはじめ、外需に依存してきた国への逆風はさらに強まる恐れがある。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、世界全体がこれまで経験したことのない混乱に陥っている。
その混乱によって、わが国や韓国、中国、欧米諸国はどうなっていくのだろうか。
まず頭に浮かぶのは、国際社会の構図が地殻変動を起こしていることだ。
具体的には、現在の主権国である米国の力が明らかに低下していることだろう。
米国がかつてのような圧倒的な発言力はなくなり、それに代わって中国やロシア、欧州諸国の圧力が増している。
トランプ大統領はWHOが中国よりであると批判し、資金拠出停止を表明した。
経済運営だけでなく、感染対策のために国際協調がどう進むかは一段と見通しづらくなっている。
世界の政治・経済の運営は大きな変化の局面を迎えていると考えるべきだ。
一方、隣国の韓国の総選挙では、左派系与党の新型コロナウイルスへの対応などが評価され180議席を確保する見通しだ。
一見すると、安定した政権基盤が形成されることは望ましい。
しかし、総選挙後の16日、韓国ウォンはドルなどに対して売られた。
南北統一、反日を重視する文政権が多極化する世界にどう対応できるか、先行きを懸念する市場参加者は増えつつある。
世界的なディスインフレ圧力の高まり
新型コロナウイルスの拡大により、世界各国は国境や都市を封鎖し、人の移動を強く制限しなければならない。
人の動線が遮断されることによって経済は大きく傷つくが、それ以外に感染を抑える方策が見当たらないのが実情だ。
その結果、世界経済を支えてきた米国の個人消費を中心に需要が急低下し始め、世界全体でディスインフレ懸念が高まっている。
4月15日、米百貨店大手JCペニーが社債の利子支払いを延期したことは事態の厳しさをよく示している。
米国では、2022年まで対人距離の確保(ソーシャル・ディスタンシング)が必要との研究報告が出ている。
自由に人々が移動できない以上、どうしても経済活動の水準は低下せざるを得ないはずだ。
年後半、米国経済がV字回復を遂げるとは考えづらい。
むしろ、動線の遮断が続くことによって経済活動が緩慢な状況が続き、景気はL字、あるいはU字のようなかなり鈍い展開となる可能性が高い。
一方、中国では感染が小康状態となり、過剰生産能力を抱えた企業の操業度が急回復している。
それは世界の需給バランスを一段と悪化させるだろう。
その中アップルは新型iPhone SEの高性能化を実現すると同時に、価格を過去最低に設定した。
同社は中国スマホなどに対抗して需要を集めるために低価格路線を強化している。
需要を生み出せる高付加価値型のヒット商品は見当たらない。
コロナショックは世界的な低金利環境下で債務に依存し需要を維持してきた世界経済の脆弱性を露わにしつつある。
高まる世界経済の縮小均衡懸念
世界各国はアジア通貨危機やリーマンショックといった大規模な経済の混乱に対して、政策協調を行うことで克服してきた。
世界的なパンデミックに対応するためにも、世界各国が感染対策、医療制度の維持・強化、経済対策を協調して進めなければならない。
足許、新興国では財政運営に窮する国も増え始めており、国際協調体制の確立は急務といえる。
しかし、コロナショックによって国際協調よりも多極化が加速化し始めたように見える。
米国はウイルス拡散の責任が中国にあると非難を強めている。
中国はそれを逆手にとり発言力を高めようとするはずだ。
更に、中国は顔認証などを用いて感染を封じ込めた。
鉄鋼などの在来分野とは異なり、IT先端分野における中国の成長力にはすさまじい勢いがある。
欧州では、イタリアやスペインを中心に医療体制が崩壊の危機に陥った。
更に、南アフリカやインドネシアでは感染拡大から失業が増加し、治安が急速に悪化しているようだ。
多くの国で米国を中心とする国際秩序、世界経済の運営への反発が高まっている。
この状況は当面続き、自国の事情を重視する国は増える可能性が高い。
新型コロナウイルスは、世界経済の安定を支えた国際協調を難しくさせている。
それに伴い、各国の経済運営の効率性は低下し、世界経済は縮小均衡に向かうだろう。
今後、世界経済が大恐慌以来の景気後退に陥る展開は否定できない。
グローバル化に深く組み込まれてきた韓国をはじめ、外需に依存してきた国への逆風はさらに強まる恐れがある。
「コロナ後」世界のバランスは激変する、中国経済が早くも急回復
Reviewed by RichKid
on
4月 20, 2020
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