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ドライバー目線で見たトヨタの“はたらくクルマ”「グランエース」の魅力と未来!近年では珍しい純和風スタイルのグランエース

乗用車カテゴリーだけでなく、“はたらくクルマ”の分野でも高いシェアを獲得しているトヨタ車。そんなトヨタの“はたらくクルマ”で最も新しいモデルが、送迎ニーズに特化したフルサイズワゴン「グランエース」だ。

従来、送迎車ニーズを満たし、かつ、全長5mを超える巨大なモデルといえば、その広大な室内スペースを活かした、大勢乗れるモデルというのが定番だった。しかしグランエースの乗車定員は、6~8名とフツーのミニバンと変わらない。その代わり、ワイドで広いキャビンを贅沢に使うことでゆとりのシートアレンジを実現し、従来の送迎車にはなかった快適な移動空間を提供する。

しかもグランエースの魅力は、それだけにとどまらない。実はオーナーカーとしても使える、優れた基本性能の持ち主だったのだ。

近年では珍しい純和風スタイルのグランエース。

トヨタの「アルファード」といえば、大ヒットを記録しているラージサイズミニバンで、街中で目にするたびに「大きいな!」と感じていた。だが、そんなアルファードも、グランエースの前では形なしだ。何しろグランエースのボディサイズは、全長5300mm、全幅1970mm、全高1990mmで、アルファード(全長4950mm、全幅1850mm、全高1950mm/ハイブリッド仕様「エグゼクティブラウンジS」)をすっぽり包み込んでしまうほどの大きさなのだ。おまけに、グランエースのスクエアなスタイルは存在感が強いものの、アルファードとは対照的に、威圧的な雰囲気は感じられない。その秘密は、グランエースの“純和風スタイル”にある。

モデルライフの長いビジネス仕様、ということもあり、グランエースはオーソドックスでありつつ、質感が高く、存在感のあるデザインを目指したとのこと。その上で開発陣は、ひと目で日本車と分かるスタイルも重視したという。その背景には、海外でのニーズや外国人の目線を意識した、ということもあるだろうが、グランエースは系統的に、フォーマルなシーンで活躍してきた、かつての「クラウンセダン」のポジショニングを目指したのではないだろうか。その落ち着きある雰囲気は、まさに“現代版クラウンワゴン”と呼びたくなる。それは、ボディカラーのラインナップからもうかがえる。設定されるのは、落ち着きある色調の、ブラック、ホワイトパール、グレーメタリック、シルバーメタリックの4色のみ。しゃれっ気は薄いが、そのたたずまいはどこか凜としている。

グランエース誕生の背景には、大勢の人と多くの荷物を同時に運べる、快適性の高い送迎車が日本車には不在だった、という事情もある。唯一のライバルといえるのは、メルセデス・ベンツの「Vクラス」で、開発担当者が「都内の超一流ホテルにあるワゴンタクシー用の乗り場にはVクラスしか停まっていない」というように、これまで日本車が挑んでこなかったカテゴリーなのだ。

現在、日本車で送迎用ミニバンの主役を務めるのは間違いなくアルファードだが、2名の顧客と彼らの荷物を同時に運ぶには、荷室容量が不足するケースがある。そのため、Vクラスのようなフルサイズミニバンが重宝されているのである。

とはいえ、いくら商売上手なトヨタといえども、グランエースの年間目標販売台数を600台と控えめに見積もるように、ニッチな市場であることは間違いない。そこでトヨタは、自社で展開する多彩なモデルの中から、グランエースのベース車には何が最適かを吟味。その結果、2019年より海外マーケットに投入されている、新型「ハイエース」の標準ボディ車に白羽の矢が立った。

そういわれれば確かに、雰囲気や形状に新型ハイエースの面影を残すグランエースだが、中身は別物といえるほどの改良が加えられている。まず、走行安定性を高めるべく、モノコックボディ自体を改良。ストレートラダー構造を持つフロアに加え、上屋となるボディパネル内部を“環状骨格構造”とすることで、ボディ剛性を高めている。さらに、リアのサスペンションを新開発したほか、日本の道路事情を加味したチューニングを加えることで、アルファードと同等の快適な乗り心地を実現したという。

エンジンは、2.8リッター直列4気筒クリーンディーゼルターボを搭載し、最高出力177馬力、最大トルク46.1kg-mというパワフルさを誇る。なお、トランスミッションは6速ATで、駆動方式はFRのみとなる。

ボディサイズを活かした広くて快適なキャビン。

ボディの大きさを活かし、とても広々としたキャビンを手に入れているグランエース。そのグレードラインナップは至ってシンプルで、3列シートを備えた6人乗りの上位グレード「プレミアム」と、4列シートを備えた8人乗りの標準仕様「G」の2種類のみとなる。

中でも、グランエースのコンセプトを最も体現しているのがプレミアムだ。広いキャビンには、フロントの2席以外にリアの4席しかなく、しかもリアシートのすべてが、多彩な機能を盛り込んだ独立式の“エグゼクティブパワーシート”となる。このシートには、電動式のリクライニング機能とオットマンに加え、シートヒーターや調整式大型ヘッドレストなどが備わっており、しかも、他の乗員に気を使う必要がないよう、リクライニングとオットマンの使用スペースも十分割かれている。

中でも2列目シートは、ファーストクラスと呼びたくなるほどの快適さ。その上、2列目/3列目シートの足下にゆとりのスペースを確保したまま(3列目シートはリクライニング角度に制約が生じるが)、最後部に約90Lのスーツケースを4個収納できるだけの荷室も確保した。

8人乗りのGグレードは、2列目シートにこそエグゼクティブパワーシートがおごられるが、3列目シートはシンプルなキャプテンシートに、4列目シートはソファシートになるなど、ポジションによってシート形状が異なっている。おまけに、プレミアムよりシートが1列増えたことで、当然のことながら足下スペースのゆとりはスポイルされており、このクルマを選ぶ価値がやや薄れている感がある。

ちなみにリアシートへのアクセスは、左右に大型の電動スライドドアを備えること、そして、2列目シートの間に(Gの場合は3列目シートの間も)しっかりと通路スペースが確保されていることもあって、乗り降りしやすく、車内での移動もラクだ。そんな中、唯一、課題となりそうなのは、フロアの高さだろう。後席への乗降性を高めるべく、スライドドアを開けた内側にステップが設けられているのだが、その高さが路面から410mmの位置にあるため、乗り降りしにくいと感じる人もいるだろう。ただしこの点は、トヨタも課題として捉えているようで、今後、オプションで追加ステップの設定などを検討しているということだ。

グランエースは心地良さと運転する楽しさを両立。

グランエースの走りで最も注目すべきは、送迎車として見た場合の快適性だろう。実際、リアシートに座って乗客目線で評価した場合、その走りは快適そのものだった。

静粛性の高さは上々で、ディーゼル車のため小さなエンジン音こそ響くものの、最後列のシートに座っていても、ドライバーとストレスなく会話ができるレベルでしかない。降りる際に、ドアを開けてすぐ耳に飛び込んでくる街の喧騒を実感したほどだ。これなら移動中、車内でミーティングなどを行うことも十分可能だろう。

もちろん、乗り心地も申し分ない。単にソフトというだけでなく、しっとりとした感触で、クルマの動きが不快なものとして伝わってこない。全長5mをはるかに超える長いボディながら、運転席と後席とで感じるクルマの動きに差異がない。開発者によると、「移動時に酔わないクルマを目指した」というが、それも十分うなずける。高いボディ剛性とこだわりの足回りによる賜物といえるだろう。

そんなグランエースであえて強調したいのが、ドライバー目線によるドライブフィールだ。

全長が5mをはるかに超え、しかも、車幅も2mに迫る巨体と聞けば、運転すること自体、厄介に感じるのではないだろうか? 何を隠そう、筆者も試乗前にはそうしたイメージを抱いていた。しかし、それは杞憂に過ぎなかった。グランエースはかなり運転しやすく、しかも運転を楽しめるクルマだったのだ。

グランエースはプロドライバーが運転するクルマだけあって、ドライバビリティへのこだわりがものすごい。まずFRレイアウトを採用しているため、車体の動きにクセがなく穏やか。おまけに、ハンドルをいっぱいに切ると前輪が45度も切れるため、最小回転半径はアルファードと同等の5.6mしかなく、見た目よりも小回りが利く。もちろん、狭い道路を走る際や駐車時などは、ボディの大きさを踏まえた運転操作が必要となるが、それさえ押さえておけば、大きさを持て余すシーンはそうそうないだろう。

一方、強靭なボディと粘りある足回りは、いかなる時でも安定感ある走りを提供してくれる。その上、コントロール性に優れるブレーキ、滑らかな油圧式パワーステアリング、トルクフルなディーゼルターボエンジン、シフトダウン&キープといった変速やアクセルワークに対して的確な6速ATなどが相まって、グランエースはドライバーの意のままの走りを実現している。“ドンくささ”とは無縁であり、コーナリング時の安定した姿勢はスポーティにさえ感じるほどだ。

開発者が「世界初・日本初の機構や装備はひとつもない。その代わり、クルマとしての基本を忠実に磨き上げた」と力強く語るグランエース。その言葉を裏づけるように、実に真面目に作られたクルマだと思う。ニッチな市場向けに開発されたクルマだけあって、特にオーナーカー目線でチェックした場合、あら削りな部分も見受けられるが、トヨタ自身、グランエースはしっかり育てていかなくてはならないと認識しているため、この先、進化を重ねていくことだろう。

個人的には、走りの素性の高さから、グランエースに「GR」仕様が登場しても面白いのではないか、と想像した。GRとは“GAZOO Racing(ガズー・レーシング)”の頭文字を冠したトヨタのスポーツカーブランドであり、モータースポーツ活動やスポーツカーの企画・開発を担当するトヨタの社内カンパニー“GRカンパニー”がプロデュースする仕様だ。

かつてアメリカのフルサイズワゴンには、走りのイメージを強く押し出した仕様が存在していたし、欧州のルノーは“ワンオフ”で、「エスパスF1」というF1エンジン搭載のミニバン型レーシングカーを発表したこともあった。くだらない妄想といえばそれまでだが、丁寧に基本を作り込まれたクルマにはそれだけの伸びしろがあり、あらゆる可能性へとつながっていく。この先、グランエースというクルマがどんな成長を遂げるのか、未来の展開が楽しみでならない。
ドライバー目線で見たトヨタの“はたらくクルマ”「グランエース」の魅力と未来!近年では珍しい純和風スタイルのグランエース ドライバー目線で見たトヨタの“はたらくクルマ”「グランエース」の魅力と未来!近年では珍しい純和風スタイルのグランエース Reviewed by RichKid on 3月 12, 2020 Rating: 5

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